アドバイスなんていらない~友達に必要なこと~

「自分の長所を挙げろ」と言われたら、私は頭を抱えてしまいますが、就活などで無理やり長所を挙げなければいけないときは、いつもこう書いていました。

「聞き上手」

仲のいい友達の多くに、「聞き上手だよね」と、言ってもらえることがよくあるのです。

友達がいてよかったなぁ~と思う瞬間はいろいろありますが、辛い時や悩んだ時に話を聞いてもらった時は、心からそう感じるのではないでしょうか?

今日は、私が友達の悩みを聞くときに心がけていることを紹介します。

まずは全部聞く そして気持ちに寄り添う

友達が愚痴や相談をひっさげて会いに来てくれた時、または連絡してくれた時、その人には確実に「言いたいこと」が溜まっています

怒ったり悲しんだりモヤモヤしたり、頭はそのことでいっぱいで、何度も考えを巡らせ自分を納得させようとしても気持ちが収まらない。気持ちをぶつける矛先がない。そんな状態のはずです。

その時に一番大切なことは、まずは全部を吐き出してもらうことです。

これは、クレーム対応と似ています。

私は高校大学の7年間、バイト先のファミレスでお客様からのクレームを聞き、新卒で入行した銀行時代の5年間も、窓口や電話口で散々お客様からのクレームを受けました。

そこで身につけたのは、ひたすら話を聞く技術です。怒りを鎮めるためには、その怒りを全部吐き出してもらうしかありません。

「ですから」「しかし」などの否定的な言葉でお客様の話を中断することなく、「あ~そうだったんですか」「それは大変ですよね」などの相槌を入れながら、お客様の言いたい事を全部言ってもらうことが重要です。

そしてそのあとで、「そんな不快な思いをさせてしまって申し訳ないのですが…」と、こちらの言い分を伝えると、意外と納得してもらえます。

人はどんなに怒っていても、言いたいことを全部言った上で、自分がどれだけ不快だったかを相手が理解してくれたと感じると、自然と怒りが収まってくるのです。一番ムカつくのは、自分の怒りや辛さが相手に伝わらないことです。

これと同じで、友達の話もとにかく聞いて、気持ちに寄り添うことが重要です。

時には、「(それって、どうなんだろう…?)」と思うことがあるかもしれませんが、決して口に出してはいけません。

かといって、例えば荒々しい愚痴に、そのまま自分ものっかってあれこれ言ってもいけません。

正解や不正解に反応するのではなく、その人がどれだけ辛かったか、大変だったか、ムカついたか、その気持ちにだけ寄り添うのです。

否定も肯定もせず、「そうだったんだ…」「大変だったね」という気持ちへの寄り添いの相槌を打ちながら話を聞いていると、全部話し終わった頃には相手もスッキリしていたりします。

【ここで少し脱線】

先ほど、クレーム対応の話をしましたが、仕事の場合は時間が限られているので、相手が同じようなことを何度も話してきて長すぎるとき、いつまでも聞いているわけにはいかないですよね。そんな時は逆に、こちらから簡単な質問をいくつかすることをお勧めします。

「○○だったんですか?」「そうです」「それは△△ですか?」「うーん、▼▼です」「□□ですか?」「◆◆ですね」「そうだったんですか……。あ、色々聞いてしまってごめんなさい。それでですね…」と、話題をこっちに持ってくることが出来ます。

【脱線おわり】

アドバイスなんていらない 答えは友達の頭の中

一番重要なことは、えらそうに無駄なアドバイスをしないことです。

だいたいの場合、答えはすでに薄々と友達の頭の中で出ています。もしくは、特にアドバイスなど必要なく、ただ辛かった…という話をしたいだけの時もあります。

それでも、友達思いな優しい人はその優しさから、一生懸命アドバイスをしてあげようとします。相手の問題を解決してあげようとするのです。だけどそれは不要です。

じゃあどうすればいいのか? 相手の頭の中にある「答え」を推察するのです。

相手はすでに自分で苦しんで考えたうえで答えを出しかけていますから、それ以外の意見など受け付けることはできません。薄々と浮かんでいる答えの、後押しが欲しいだけです。

また、いくら親友でも人と人の考えは違うし、生き方も違う、心に響く本当に適切なアドバイスをすることはまず難しいのです。

ましてや、悩んでいる時は心もマイナスな方向に向いていますから、もしも良かれと思って言ったことが相手にとって的外れだったとしら、その友達はひどく絶望するはずです。「あぁ…全然分かってもらえない…」と。

そんな気持ちにさせたら悩みを聞いた意味がありません。

自分がもし瀬戸内寂聴、あるいはガンジーなんかだったら話は別です。あるいは友達が悩んでいることに関するプロフェッショナル(例えば会社経営者の自分に、会社を設立したい友達が相談して来た時など)だった時も話は別です。

だけど自分が友達と平等であるなら、重要なのは友達の気持ちを癒すことです。正しい道(と、自分が勝手に思っている道)に導くことではありません。

だって自分の道を軌道修正する時、心が安定していないと絶対に正しい選択なんてできませんから。まずはその気持ちを癒してあげることが一番大切なのです。

自分の方が恋愛経験が多いとか、社会人歴がちょっと長いとか、自分の方がよほど辛い事があったとか、関係ないんです。むしろそんなことを口にするのはマイナスです。

それくらいじゃ友達にとっての師匠にはなれません。友達は平等友達である自分にできることは、心を癒すことです。

選択肢だけは提示しておく

ここまで読んで、「友達が困っているのにアドバイスをしないのは薄情だ」と思う人がいるかもしれません。

確かにそうです。

だけど結局、人というのは自分で決めたことしか実行できません。心の底から「自分はこうするべきだ」と思わないと、その答えを実際に選ぶことはできないのです。そもそも人から言われた意見をそのまま聞いて実行できるほど単純な問題に、そこまで悩んだりしません。

じゃあ、悩んでいる友達にどうしても伝えたい事がある場合、どうするのか?

それは、選択肢の1つとして提示しておくことです。最後に選ぶのは友達本人です。

分かりやすい例をあげると、「会社でイヤな事があったから辞めたい(ほぼ辞める気でいる)」と悩んでいる友達がいて、自分は「(まだ入社したばかりだし、もう少し頑張ってもいいんじゃないかな?)」と思っていたとします。

一番ダメなのはそれをそのまま、「甘いなぁ。働いてれば誰だって辛いことあるんだから頑張りなよ。そんなんじゃダメ人間になっちゃうよ」などと言うことです。そんな上から目線の話が聞きたくて相談しているわけじゃありません。

だから、選択肢をいくつも提示しておくのです。「辛かったら辞めたくなるよね。その選択もあるよね。あとは、今のプロジエクトが終わるまで様子を見てもいいかも。環境が変わったら人間関係も変化するだろうし。それか、思い切って部長に相談してみるとか」などなど。

悩んでいるとき、盲目で視野が狭くなっていたことに後から気づいたことはありませんか?選択肢はたくさんあるのに、何もないような気がしてしまうことが誰にでもありますよね。だから、そんな状態の友達に、選択肢はたくさんあることだけ教えてあげます。

すると後日、友達にとって何かきっかけになる出来事が起こった時、友達自身が選択肢の中から1つを抜き出します本人が出したその答えに勝るものはありません

例えばそれで友達が会社を辞めたとしても、友達が決めたらならそれが正解だったんです。もしもそのことによって友達の人生がマイナスに進んだとしても、それは必要な時間だったんです。友達にとってはその失敗が必要だった。そこを乗り越えて大きくなる人生だったのです。

結論、人は経験して初めて本当の答えを知る。時間がかかるかもしれないけれど、ちゃんと向き合ってさえいれば自分が決めたことだけが本当の正解だったと気づく。それは友達もそうだし、もちろん自分も同じです。

友達と私は、同じフィールドにいる

だから師匠でも上司でもない”友達”は、一緒にこの人生を歩む戦友として、「いつだってあなたの味方だよ」と、笑っていましょう。適度な距離を保ちながら。

まとめ

私がこの記事を書いたのには、きっかけがありました。SNSでたまたま、ニーチェの名言を見たからです。(またニーチェかい!)

「友たるものは、推察と沈黙に熟達したものでなければならない」

この言葉を読んで、「やっぱりそうだったのか」と、自信がつきました。

大人になると友達関係も変化して、いろいろ難しくなります。時には友達を失うこともあるかもしれません。

そんな中で、自分がどうあるべきか?

マウンティングだのインスタ映えなどとややこしいこの時代に、本当の友達とは何かを考えてみたくなりました。

最後に、コミュ障で人見知りな私と仲良くしてくれている親友や友達みんなに、心から感謝の気持ちを伝えます。(誰も見てないけど)